Top > Works > 編集環境やBD化について (2008年11月掲載、2009年4月追記)

編集環境やBD化について

最近になって、撮影素材の編集環境やBD化について何件かメールをいただきましたので、これまで使ったことのある編集ソフト・オーサリングソフトについて簡単にご紹介してみます。 HD素材のBD化についてだけではなく、HD/SD素材のDVD化についても書いています。 これからソフト・ハードの導入を検討している方やこういう事柄への興味がある方に、少しでも参考になる部分があればさいわいです。

当方のPCがWindows環境のため、Macをご利用の方にはあまりお役に立たない内容になり、また、撮影されない方には興味の沸かない話題になってしまうかと思いますが、何卒ご容赦ください。

目次(クリックでそれぞれの項目・ソフトの詳細に飛びます)

はじめに… 必要なハードウェア

ソフトのご紹介の前に、PCでの編集に必要となる本体の性能や周辺機器を載せておきます。

PC本体のCPUとメモリ

編集ソフトにもよりますが、概ね、Pentium4以降の世代のCPU・512MB以上のメモリを必要とするソフトが多いようです。 特に素材がAVCHDの場合、CPUはなるべく高速なほうがいいと思います。 詳しくは各ソフトの製品HPから動作環境をご確認ください。

IEEE1394端子/USB2.0端子

HDV/DVの場合、IEEE1394(i.LINK)端子から取り込みます。ない場合は増設できます(たとえばIODATAの製品など)。 AVCHDは、たいていの機種でUSB2.0端子からデータファイルをコピーするような形で取り込めます。

HDD

素材のフォーマットや長さに応じて数十〜数百GB単位の空き容量が必要です。 最近はUSB2.0・外付け・500GBで1万円を切るものがあるようです。→価格.com 外付けハードディスク

BD/DVDドライブ

BDドライブも徐々に価格が下がり、BD-R4倍速対応・USB2.0外付けの機種がようやく2万円を切り始めています(価格.com ブルーレイドライブ)。 DVD-R/RW/RAMドライブはUSB2.0・外付けで5000円を切るものが出ているようです(価格.com DVDドライブ)。

次の項目からは、現在使用中または使用したことのある編集ソフトをそれぞれの特徴に沿ってご紹介します。

編集ソフトウェアの紹介

TMPGEnc MPEG Editor 3 (ペガシス製、ダウンロード版5600円)

対応ビデオカメラ:HDV
出力形式:BDAV

TMPGEnc MPEG Editor 3 (TME3) は、MPEG-1/2のカット編集に特化した編集ソフトです。 HDVの撮影素材をフレーム単位で正確にカット編集し、BDAV形式で書き出す、という作業を軽快に行うことができます。 スマートレンダリング機能があるため、フルレンダリングするソフトに比べ書き出しが大変高速なのも特徴です。

作成できるのはBDAV形式のBDで、メニューはありません。 機能は絞られていますが、素材がHDVで、「要らない部分を切ってBD化する」という目的の場合は、これで充分だと思います。 ただしTME3では、HDVの素材からSD画質の通常のDVDを作成することはできません。

EDIUS Neo (カノープス製、「優待版」15000円前後 参考:価格.com EDIUS Neo)

対応ビデオカメラ:HDV/AVCHD/DV
出力形式:BD用のMPEG-2ファイル(BD作成は別途オーサリングソフトが必要)/DVD

EDIUS Neoは本格的なノンリニア編集ソフトです。 正確なフレーム単位でのカット編集だけでなく、トランジションやタイトル作成・字幕入れ、ピクチャー・イン・ピクチャーなどの合成、各種エフェクト等々、編集機能に関してはここで取りあげたソフトの中でいちばん充実しています。 動きを追いかけながらの部分モザイクも可能なので、そういう細かい機能が必要な方にはお奨めかと思います。 当方ではそこまで高度な編集機能は不要でしたが、TME3が対応していないAVCHDの編集用に導入してみました。

通常、AVCHDの編集は大変重いのですが、EDIUS Neoでは、AVCHD素材をいったん編集用コーデックに展開することで、元の高画質を維持しながら軽快に編集を行うことができます。 HDV/DVの編集にも対応しています。

編集結果をBD用のHD画質のMPEG-2ファイルとして書き出すことはできますが、BDのオーサリング機能がないため、BD作成には他のソフトとの連携が必要です(たとえばTME3や以下で紹介するTAW4など)。 DVDの作成はこのソフトだけでも可能です。

(2009年4月追記)
5月より、バージョンアップした EDIUS Neo 2 が発売されるそうです(カノープスの製品情報)。 現行版との大きな違いとしては、DVDだけでなくBDのオーサリングに対応した点が挙げられます。 BD作成も必要且つ全行程を1本のソフトで済ませたい場合は、現行版ではなく、このバージョンアップした2のほうを選んだほうがいいかもしれません。

また、現行版・2とも、パッケージのラインナップに「優待版」というものがあります。 本来はすでに他のカノープス製品を持っているお得意様向けのパッケージのようですが、少なくとも現行版の「優待版」は、他のカノープス製品が入っていないPCでも問題なくインストール・オンライン認証ができます。 ソフトの中身は同一なので、価格面を考慮すると、通常パッケージより低価格な「優待版」を選ぶのがお得かと思います。

TMPGEnc Authoring Works 4 (ペガシス製、ダウンロード版9800円)

対応ビデオカメラ:HDV/AVCHD/DV
出力:BDMV/DVD

TMPGEnc Authoring Works 4 (TAW4) は、つい最近(2008年10月)に出たBD/DVDオーサリングソフトです。 HDV/AVCHD/DVをはじめ幅広いフォーマットの読み込みに対応しており、それらの素材をフレーム単位でカット編集した上で、BD/DVD化することができます。 AVCHDのような処理の重いフォーマットを軽快に編集するために、編集用プロキシ作成機能を備えています。

書き出すBDは、メニューを設定できるBDMV形式になります。 オーサリングソフトだけあって、デザインに凝ったオリジナリティの高いメニューを作成することも可能です。 DVだけでなく、HDV/AVCHDの素材からでもSD画質の通常のDVDを作成することができます。

EDIUS Neoのような本格的な編集機能はありませんが、ここまで挙げた3つの中ではいちばん機能のバランスがとれており、撮影素材のBD/DVD化が目的で複雑な編集は不要という場合、これ一本でほぼ事足りるような気がします。 また、他のソフトで編集済みのファイルをBD/DVD化するのにも使えます。

おわりに…

3つのソフトの用途や特徴を簡単にまとめると、
 素材がHDVで、とにかく簡単・手軽にBD化したい→TME3
 素材がHDV/AVCHD/DVで、カット編集以上の本格的な編集が必要→EDIUS Neo
 素材がHDV/AVCHD/DVで、メニュー付きのBD/DVDを作りたい→TAW4
という感じでしょうか。

ここでご紹介したソフトはいずれもメーカーHPに体験版が用意されています。 導入の検討にあたっては、体験版を触ってみて、正常に動作するかどうか、また自分の目的に合うかどうか、事前に確認することをお奨めします。

私自身、全然この分野に詳しいわけではなく、それほどたくさんのソフトを試したわけではありません。 他にもこういう便利なソフトがある、という情報や、その他このページについてご意見などありましたら、お気軽にメールをお寄せください。

この手のソフトはバージョンアップや入れ替わりが激しく、そのうち内容が実状に合わなくなると思いますが、ご要望やお問い合わせがあるならまた加筆したいと思います。

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